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創立10周年、そして次の30年へ
Maker Faire 2014 @ Shenzhenに行ってきました!
先週中国は深センにて開かれたMaker Faireに行ってきました。
Maker Faireとは個人や小規模な団体、企業などがMakerとして様々な新しい技術やそれを用いた面白いモノをもって出展する展示会です。
通常みられるカンファレンスなどとは違い、その名前の通りちょっとしたお祭りみたいな感じで自分がつくったものをお披露目するのです。
今回は私たちのパートナーでもあるIFTFというアメリカに本拠地を置く、様々な角度から未来予測を行う研究所がMaker Faireのメインスポンサーとして中国のMakerのイマを探るツアーを開催してくれたのでそちらに参加してきました。
何故深センで開催されたのか。何故深センには多くのMakerが集まるのか。今後Makerはどこに向かっていくのか。
深センは中国でも有数の工業地帯で多くのグローバル企業の工場があり、香港の隣に位置することもあって中国としてはかなりオープンな環境にあります。
中国国内の工業製品の実に6割が深センの工場で作られているともいわれます。そうした環境なので、モノ作りが盛んであり、またすぐに誰かに依頼してサポートしてもらうことも可能です。
香港へは中心地から中心地へ1時間程度で行ける距離で、香港は特別区として中国内にあるインターネットの規制などがなく、また多くのグローバル企業が拠点を構えているので、すぐに世界の最新の情報を得ることが出来ます。
またこれらに加えてもう一つ大きな特徴が深センにはあります。
中国には山塞Shanzhaiという言葉があります。これはいわゆるパクり製品と呼ばれるもので中国の一つの特色になっています。
たとえばこのロゴなんかはどう見たってbeats by Dr Dreのパクリですが、こういったものがあちこちで堂々と売られています。
確かにこうしたものは多くの問題を抱えていますし、間違っても礼賛されるべきではないでしょう。ただしこうした文化があるからこそ、中国では個人や家族経営のような小さな工場が技術力をつけていっているという側面があります。
そしてこうした商品をすぐに売れる環境が深センにはあるのです。
こうした小さな店が一つのビルの中にいくつも入っていて、さながら昔の秋葉原を一か所に集めたような感じです。
実際にこうしたマーケットがあるからこそ北京から深センに移ってきたんだというMakerの方もいました。
こうした情報を獲得し、商品を作り、すぐに売れるというサプライチェーンが深センには揃っているのです。
元Wiredの編集長でロングテールやフリーミアムなどを提唱した3D Robotics社CEOのChris AndersonはMaker Faireのキーノートスピーチで
「20世紀まではProduct VS Productの時代だった。だが今はEcosystem VS Ecosystemの時代だ。」
と発言していました。
法制度の変更などもあり、深センの工場はどんどん中国全土に散らばり始めています。
そうなった時、深センでのMakerの流れが縮小するのではなく、むしろMakerが中国全土に広がっていくのではないでしょうか。
3DプリンタやAruduinoなどの普及で個人で簡単にモノを作れる時代になっています。
クラウドファンディングなどを使えば大量生産も可能になります。
ソフトだけでなくハードもオープンになっていくでしょう。
そうして大企業でなくても優れた技術力の恩恵を利用できるようになっていく中で、優れたEcosystemを確立することの重要性が今後ますます大きくなっていくのではないでしょうか。