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創立10周年、そして次の30年へ
日本市場でクラウドファンディングが秘める可能性
国内クラウドファンディングの今
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2011年3月にREADY FOR?がサービスを開始したのが日本での初めてのクラウドファンディングサービスでした。
それから2年余りが経ち、COUNTDOWNやCAMPFIREといったオールラウン型のクラウドファンディングから、映画に特化したMotionGalleryや現代アートを取り扱うMICROMECENAT、女性を中心としたGREENGIRLなど取り扱う対象を限定したサービスも増えてきています。
映画「ハーブ&ドロシー」が1000万を超える金額を集めるなど、着実に認知度は上がり、利用者も増えてきています。
ですが、まだまだアメリカやイギリスといったクラウドファンディング先進国に比べると市場規模は非常に小さいと言わざるを得ません。
なんと2時間で10万ドル(1000万円)!
クラウドファンディングの本場、アメリカで展開されている世界最大のクラウドファンディングサイトのKickstarterでは1000万円単位で資金を集めるプロジェクトがごろごろあります。
最も有名なのは電子ペーパーで作られたスマートウォッチの「Peddle」でしょう。なんと2時間で目標金額の10万ドル(約1000万円)を突破し、最終的には目標額の100倍である1000万ドル(約10億円!!)以上の資金を集めたのです。
それ以外にも制作資金90万ドル(9000万円)で募集をしていたデジタルゲーム「Torment: Tides of Numenera」は最終的に400万ドル(4億円!!)以上を獲得しました。
その他家電や漫画やCD、映画など様々なジャンルでプロジェクトが成立しており、累計集金額はなんと240億円を超えるお金が実際に集金されています。
多くの成功したプロジェクトでは純粋にそのプロダクトが優れたものであるというのが大きな集金要因となっています。これは優れたものに対する投資の姿勢が一般階層にまで普及しているからではないでしょうか。
「ファン」を作れ!
どうしても日本では「寄付」や「投資」といった行為自体が欧米諸国に比べて馴染みがなく、プロジェクトそのものに対する寄付・投資ではなく、プロジェクトオーナーに対する寄付・投資になりがちです。
例えば、F1レーサーの小林可夢偉は、クラウドファンディングサイトは利用しませんでしたが、F1のシート獲得のためにスポンサー資金を自分のHP上で募った方式はまさにクラウドファンディングであり、最終的には1億8千万円の資金を獲得しました。
iPS細胞に関する研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥京都大学教授もJustGivingという寄付型のクラウドファンディングで2000万円以上を集めました。それも当初400万円だったものがノーベル賞受賞後早いペースで集まったために目標金額を1000万に増額してのダブルスコアです。
これはプロジェクトを応援するというのはもちろんですが、それ以上に彼ら自身を応援したいという「ファン」がいたからこそ、それだけの金額が集まったのです。
欧米では純粋にプロジェクトの優秀さに左右される部分が大きい一方、日本では重要視される項目はまた違うものだと認識することがクラウドファンディングの発展において重要となってきます。
いかにそのプロジェクトを行うことになったかの背景を伝え、プロジェクト、ひいては自身の「ファン」になってもらうことこそ、日本でクラウドファンディングが普及していく中で認識すべき重要なファクターではないでしょうか。