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Makerが変える世界 ?NewYork編?
先日、我々が着目しているMakerムーブメントについて米国パロアルトに本拠地を置くパートナーであるIFTF(Institute For The Future未来研究所!!)と共同で行った中国深センのMaker Faireツアーを取り上げました。
本日は5/21,22の日程で開催したMaker Citys in New Yorkについて取り上げます。
ものづくりにおいてこれまで大型の機械を導入して大量生産し均一なものをそれぞれ購入するというモデルが一般的でした。
しかし3Dプリンターが登場し、日本におけるFab Cafeを代表とするような電子工作のムーブメントなど、頭のなかにあるアイデアを具現化するツールの普及によって誰でも必要でほしいと感じるものをパーソナルに簡単に作れるようになっていくような時代がすぐそこまでやってきています。
この変化は、ものづくりの根本の考え方そして今後のビジネス、ひいてはライフスタイルに大きな変化をもたらすであろうことが予想されています。
Maker Citysとはこの大きな変化のムーブメントを加速させる都市単位での取組に着目をし、政策に取り入れて加速を図るメキシコを始めとし、中国深セン、ニューヨーク、サンフランシスコと回っていくツアーを指しています。
MITの研究者、中国の大手ベンダーHUAWEIのオープンイノベーションチーム、スイスの携帯キャリアSwisscomのオープンイノベーションチーム、FINPRO、NATO、そしてラグジュアリーブランドの大家CHANELまで多岐に渡る業種の企業がこの新しいムーブメント、そして未来に興味を持ち参加しています。
NYは米国の中でも歴史的な年であり、戦後世界をリードしてきた最先端の街の一つでもあります。そんな最先端の都市が考え、見ている新しいものづくりの概念について先進的に取り組む企業を訪問して話を聞いてきました。
1.Etsy
Etsyとはブルックリンに本拠地を置くオンラインのコマースプラットフォームで、2005年に創業した会社です。
家具や洋服、アクセサリー等多岐にわたって手作りで作られたプロダクトを集めて流通させるプラットフォームとなっています。End Mass Productionを標榜し、3500万人の会員を抱え、120万セールスを記録する世界最大級のパーソナルメイドのプラットフォームです。
日本では私達の友人村式株式会社が運営するiichiがありますね。
Makerの取組は創るだけではなくそれを市場とつなぐプラットフォームがあってはじめて機能します。Person to Personを繋げてほしい物を手にできる文化をつくり、人々の購買の考え方を新しい時代に向けて変えていけるように励んでいます。
2.MakerBot
MakerBotはブルックリンに本拠地をおき、2009年に創業した3Dプリンターの会社です。
制度が高い機械を開発し売ることはもちろん、アイデアを3Dデータ化するお手伝いや普及するための小売店を持つことなどオープンソース化して市場に爆発的にこの3Dプリンターの製品及び考え方が普及する為の産業づくりに取り組んでいます。
3.NYC Resister
NYC Resisterはブルックリンに本拠地をおき、2008年に創業した米国で最もアクティブなハッカースペースです。
日本でいうところのFab LABOで、ここに集まる人々が共同でアイデアを出しあいながら実験的にものづくりをしていくスペースになっています。日本でも浸透中のシェアオフィスですね。
より早く実験的にものづくりを進めていくための最良のスペースとも言えます。
4.Foursquare
これは日本でも浸透しているのでご存知の方も多いですよね。
2009年に創業してNYのど真ん中SOHOに本拠地を置くロケーションベースのSNSサービスを行う会社です。
Check-inといって今いる場所をGPS情報を元に割り出し友人に知らせるなんてことのできるSNSです。FacebookやTwitterに連携して日本では使われています。
Googleのメンバーを経て様々な会社を立ち上げてきたCEO、Dennis Crowleyさんに話を伺ってきました。
Foursquareはこれまで抱えている5000万人のユーザーにチェックインさせて位置情報を取得しゲーム感覚で楽しめるSNS機能を提供してきましたが、その裏で様々な情報を取得してきました。ドコに何があって人々はそれに対してどんな評価をしているのか。
時間ごとの人の行動様態や都市の比較、行動と何か(例えば天気や気温など)の指標との相関性を知ることもできます。
Foursquareはこれからそういった情報を駆使して企業にマーケティング情報を売るなどビッグデータのビジネスを拡大していくそうです。
また人々が探しているものと場所のマッチングサービスなんかも可能となるでしょう。
日本ではまだ浸透していませんが、既に170万人を超える企業が顧客とつながるためにFoursquareのプラットフォームを利用しているそうです。
紹介したこれらの企業はムーブメントの一部であるということとこれから教育やコミュニティ形成など周辺に必要なインフラが次々と成長していくことでしょう。
3Dプリンタで今までと違った方法で創りたいと思ったものが作れるようになる。
単純にそのことだけを受け止めるでなく、そういったことをキッカケに社会はどのように変改していき、ライフスタイルや自分の手がけるビジネスにどんな影響があるのかということまで深く洞察しながら次なる世界、ビジネスを作っていかなければなりません。
日本ではこのムーブメントがどのように発展していくのでしょうか。
田中浩也さんを筆頭にFab LABOやFab Cafeなど少しずつ市民権を得ていますがブーミングしていくためにはもっと3Dプリンタを活用したビジネスや売るためのプラットフォームが盛り上がっていく必要があります。
またこのムーブメントを支持して集まるコミュニティが小さいのも確かです。
しかし地方では仕事がなく、最低限の教育しか施されずに人材の流出が避けられない地域がたくさんあります。一つの方向として3Dプリンタを支える産業が地方で興り、地元の学校も3Dモデリングを教える。
こんな素敵なストーリーも起こりうるのではないでしょうか。
ビジネスを興していくプロデューサーとして未来を先導する新しいビジネスを使って地方の問題も同時に解決していくといった形で事業を興していくべきでというように感じました。