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2014.5.30

All, People

全球化時代を生きる ~想定外を受け入れるために~

今回のブログは大浦が担当させていただいております。

 

先日GTL(グローバルチームリーダー)プログラムという研修に参加してきました。

 

GTLとは、グローバルインパクトという会社の代表、船川淳志さん主催のプログラムで、全球化時代におけるマインドセットとコミュニケーションの方法を学ぶ研修です。

 


グローバルインパクト代表 船川淳志さん

 

よくあるただ講義を聞いたり、グループワークを行う研修とは異なり、脳のシナプスを繋ぎ合わせ、知識のつながりを探ります。あれはなんだったか?どう考えるのが正解なのか?といった形で常に頭をフル回転させながら突発的な思考力・コミュニケーション力を鍛える研修でした。

 

詳細についてはこちらでは割愛させていただきますが、一般教養、ベーシックサイエンス、哲学、経済、政治、言語、絵画、マナー、音楽、武道など様々なジャンルのことを聞き、考えてひたすらクイズ形式でアウトプットします。

 

改めて勉強不足を恥じるとともに、今まで見知ってきたはずのものがいかに簡単に頭から抜け落ちているかが分かりました。知的好奇心がくすぐられ勉強に対するモチベーションがみるみるも湧いてきます。

 

そこで学んだのは、「世界で戦うためには何をどのように学ばなければいけないのか」ということでした。

 


みんなでディスカッション

 

 

「あらゆる知識に貪欲に!」

 

日本の教育はよく詰め込み教育だと言われ、その反動でゆとり教育をこうじましたが結局そこに解決は見ず、受験制度も同じような状態です。(政府の教育再生委員会が大学受験を人間力を測るものにすると謳っていますが今回は言及致しません)

 

日本人の多くは習ってきたことの多くを受験勉強の一環として学んできたために、逆にそれ以外の部分に関しての知識は欠如しがちです。むしろ知識と知識がリンクしておらず自分たちで知識を自由に使いこなすことが得意でなくなってしまっています。

 

文系を選択した人たちはベーシックサイエンスができず、理系に進んだ人間は自国の歴史も曖昧で、況や世界史なんかはサッパリということがよくあります。(投稿者もあまり偉そうには言えませんが)

 

狭く閉じた知識の幅では活用が難しくダメなのです。

 

グローバルというのは常に想定外で、文化も違うため常識が全く通用しないという場面に遭遇することが頻繁に起こります。

 

海外の人がこちらが日本人だと知って、三島由紀夫の作品は何が好きか聞いてくるかもしれません。最近だと原発問題について生活が安定してきたのはわかった、ただ科学的な視点からはどうなんだと聞かれることもあるでしょう。何気ない会話の中でニーチェの引用が入ることも起こります。

 


海外でもミシマやハルキ・ムラカミは知っている人は多い。

 

海外で世界中の人間と仕事をしているような人たちは高等教育においてこうした基礎教養に関する問題が出されることが多く、普段から意識して記憶し、考えていることを求められています。

 

フランスのグランゼコールでは卒業に際しGrand Oralといって一般教養に関する口頭試験が伝統的に行われるなど一般教養がいかに重要視されているかが分かります。

 

一般教養のレベルを鍛えることは、広範囲な知識を持つことに繋がり、それはあらゆる角度で物事を考えることに役立ちます。

 

常に想定外であるとするなら、大事なのはそれらを常に自分の理解に落とし込み、対応できることではないでしょうか。

 

 

「結晶性知能を伸ばせ!」

 

ただ暗記していては意味がありません。

 

「覚える」のではなく「理解する」ことでそれは初めて自分の血肉となるのです。知識の理を知り物事を繋ぎ合わせて理解出来るようになることでようやく自分の武器として使いこなせるようになります。

 

ルターの発言も理解せず引用するだけではただのインテリ気取りの薀蓄好きにしかなりません。

 

瞬発的に問題を解決する能力などは流動性知能といい、これは20代がピークと言われています。

 

一方で、教養や語学、知識など蓄えていくものを結晶性知能といい、これは60すぎまで伸びるといわれています。

 

この結晶性知能を伸ばすことで、どんな場面においても自分の知識に照らし合わせて理解し、自分なりの考えを構築することが出来るのです。

 

常に意識し考え学ぶことこそ、どこで誰と何をするにも大事なことなのです。


ソクラテスの格言にこういう言葉があります。

本をよく読むことで自分を成長させていきなさい。

本は著者がとても苦労して身に付けたことを、たやすく手に入れさせてくれるのだ。

 

そして最後に大切なことはそれらを武器としてグローバルコミュニケーションに挑んでいくことです。

 

英語が苦手だからと怖気ずいている場合ではありません。
発音を気にするよりも発言する勇気を持つことが大切でわからないことはわからないという、自分の物差しで相手に伝わるようにしゃべる。こういったことがこれからのグローバルビジネスを切り開くために必要です。

 

今後も継続して研修は行われるので、そちらで得た知見はまた皆さんに共有させていただきたいと思います。
みんなでこうやって情報共有しながら強い日本になっていきたいですね。

 

ではみなさん、勤勉であれ!